2002アルン展 オフィシャル リポート
2002.5.5 Areum Art Network事務局
事業名称:『2002 アルン展─在日コリアン美術を起点として』
事業期間:2002年3月12日(火)〜17日(日)
(準備開始2000年5月〜終了2002年5月)
1,事業内容
(1)第1会場 京都市美術館本館1F北側全室(990F) 1F大陳列室(680F)
◆◆絵画、彫刻、立体、工芸、インスタレーション展示
在日コリアン90名、中国朝鮮族15名、韓国10名、在米コリアン3名、沖縄11名、日本2名、在日クルド1名
130人の作家200点展示された。
◆◆アート・プロジェクト1『人・WEB・人』
崔誠圭、金誠民が企画の中心となり在日3世アーティストによる、「人々がつながる」という事をテーマに観覧者によるパフォーマンスやデータ入力により仮想オブジェを作り出した。
◆◆アート・プロジェクト2『Japan-Koreaライフマスク』では観覧者のマスクを和紙によりつくり展示していった。最終的には2002個のマスク制作を目指している3年越しのイベントであるが、アルン展では50人ほどのマスクを制作した。
※両プロジェクトとも予想を上回る参加者数を得られ、全く性格は違うが観覧者参加型という新しい形の展覧会のあり方を示すことができた。
◆◆特別展示”軌跡をたどるー権鎮圭”では国内に残る権鎮圭の彫刻作品が12点出品され、特に専門家の大きな関心を集めることとなった。レクチャーでの講演とともに、知られざる在日コリアン美術家の足跡を紹介できて意義深かった。
※入場者数3130人
(有料入場者680人―他は招待客及び美術館他企画来館者―入場料200円)
(2)第2会場 京都市国際交流会館 (サテライト1&レクチャー)
◆◆ 柳銀珪写真展『チョソンジョッ イヤギ』
中国延辺朝鮮族自治州の人々を撮った写真約40枚を展示
今回初めて紹介展示された中国朝鮮族の美術をレクチャーで行われた講演と共に立体的に理解するために、とても役だったと考えられる。特に歴史、写真などの専門家や興味を持つ方の観覧者が多く、美術だけではなく関心を集めた。
◆◆インフォメーション・ブース
映画『Sky-Blue Hometown空色の故郷』
映画の主人公であるシン・スンナム氏の画(印刷)、予告編、各種資料を展示
※入場者数800名―入場無料
※在日、在中、在米、在サハリン年表を作成し掲示
◆◆アルン・レクチャー(3月16日 午前11時〜午後3時)
1,『彫刻家権鎮圭』チェ・ソテ(韓国・美術評論家)
権鎮圭は来年没後30周年にあたり、韓国で大規模な回顧イベントが行われる予定であり
それとの関連性ももつことになり意義が深いものとなった。講演者は現在権鎮圭の伝記を執筆中
2,『中国朝鮮族美術の歴史と現状』姜鍾浩(中国延辺大学芸術学部助教授)
中国朝鮮族については、その存在すら日本ではに紹介されることがほとんど無く、韓国・朝鮮文化の一端であるが、加えて中国美術の現況を知る上でも非常に貴重なものであった。
3,『民族性と美術』千葉成夫(美術評論家)
千葉氏による講演は単に表面的な国際交流だけではなく、民族性などの深い部分での相互認知をうながし真の国際交流につながる内容であった。
どの講演も日本では始めて言及されるものであり、非常に高い関心を集めた。ウィークデイの昼間に行われたので聴衆者が100名程と少なく残念であったが、引き続き関連性のあるイベントなども国内で行われる良い契機となった。それぞれ1時間強の内容であった。
※入場者数100名
(3)第3会場 アートスペース虹(サテライト2)
◆◆朴 一 南 展 『間-Gap』
京都の画廊ア−トスペ−ス虹との共同企画として開催されたネットワーク作家である朴一 南の個展
美術館に羅列的に展示するばかりでなく、一作家の作品を掘り下げて観賞できる場となり、展覧会全体にとっても個展にとっても良い効果となった。
※入場者数480名―入場無料
(4)第4会場 京都教育文化センター3月15、16日午後7時より上映
◆◆映画『Sky-Blue Hometownム空色の故郷』
韓国新進気鋭の女性監督キン・ソヨン制作のドキュメンタリー作品
ウズベキスタンのコリアン(高麗人)画家シン・スンナムの作品と生涯、旧ソビエト時代に強制移住させられた高麗人たちの苦難に満ちた証言に依って綴られた作品であるが、美しい映像と気品の高い音楽により芸術的に完成度の高い作品であり、2回の上映で180名の観客を集め大変好評であった。
※入場者180名 ―入場料800円
※2002アルン展総入場者数 4690名
2,反響
(1)報道
展覧会報道―3/6朝日新聞夕刊、3/13京都新聞朝刊、3/13読売新聞朝刊
関連記事―3/16神戸新聞、4/11沖縄タイムス、4/12沖縄タイムス
雑誌―02,1月号HOT CHILIPAPER
テレビ―3/17NHKニュース、3/17KBS京都ニュース
(2)感想
美術評論家、美術ジャーナリスト、学芸員たちの多くが観覧し「活気に満ちた展覧会であり楽しめた。今後の展開に大きく期待する」という評価が相次いだ。
多くの観覧者が、その多様な地域からの出品に驚き、大変興味深く観賞していた。
特に平均1時間半以上の鑑賞時間(メイン会場)と200枚近い感想文に感動が良く現れていた。
3,協力・支援体勢
公共団体、企業、大学、個人など協力 81
※一覧は図録末尾に掲載
4,宣伝
(1)ポスター1500枚 チラシ30000枚
※全国の美術館100館、美術大学・一般大学50校に送付
京都の公共施設、協力企業、協力店に配布
(2)アルン展DM 5000枚(招待券)
朴一南個展DM 2000枚
柳銀珪DM 1000枚
(3)映画チラシ 1000枚
(4)タクシー広告 300枚
※京都のタクシー会社3社の協力を得て、後部ウィンドウに広告
(5)KBS京都 テレビスポット広告
5,評価と展望
1,2002アルン展は美術展ばかりか講演会、写真展、映画上映、個展と展示種類・形式も多様に、その内容も美術史・民族史・地域史などへ意欲的なアプローチを含み、総合的で他に例を見ない独自のアートイベントとして行われた。また、出品の多様性、地域の豊富さ、規模の大きさは多くの観客に感動を与えた。
観客の感想の中に「こういう国際的で大きな規模の展覧会が京都で行なわれているという京都市民として誇りに感じる」という声も聞かれ、「国際文化交流の一翼を担う」というアルンの目標を果たした。
2,出品者も含めて韓国など海外からの観覧者もあり、アルン展は徐々にではあるが内外に知られ始めていることを実感できた。国内では提携ギャラリー・団体なども増えてきて、展覧会の共同開催、共同企画も多くなろうし、海外との交流も益々活発となるであろう。これからアルン展は在日コリアンを中心とする国際展へと発展させていく可能性を十全に持つこととなった。
6,今後の計画
(1)2005アルン展(第3回展)
2004年10月〜2005年3月までの間に開催する。
会場:京都市美術館 他
02年4月〜03年4月まで、構想期間
03年4月〜04年10月まで、準備期間
(2)出品協力
第9回 六甲アイランド WATER FRONT OPEN AIR PLAY
−潮風アートー KOREA・JAPAN 作家交流展
現代美術野外展: 2002年8月3日(土)〜8月25日(日)
アートパフォーマンス: 8月3日・25日
ー主催ーリ・フォープチーム(3)関西圏企画グループ展(名称未定)開催
アートビレッジセンター 1F展示ギャラリー(神戸市兵庫区)
(会期)2002年9月8日(日)〜9月15日(日)
(4)企画協力
ギャラリーNAW (大阪市)
02年9月以降
(5)光州ビエンナーレ2002(02.3.29〜02.6.29) 招請出品
蔡峻、盧興錫、朴一南、金誠民、金暎淑が招請され出品
5月末のシンポジウムに参加(6)アメリカ訪問
交流と視察のため
(7)中国訪問
9月初旬に延辺朝鮮族自治州創立50周年記念行事に親善参加
記
●主催 AREUM Art Network
●後援 京都府、京都市、NHK京都放送局、朝日新聞、朝日放送
讀賣新聞大阪本社、讀賣テレビ、毎日新聞、毎日放送、
関西テレビ、KBS京都、産経新聞、京都新聞社、ジャパン
タイムズ社、国際交流基金、沖縄県、那覇市、浦添市
沖縄タイムズ社、琉球新報社
●協賛 (株)WING ON 沖縄テレビ放送
(株)アサヒコーポレーション、(株)タカノ、
株式会社新生、沖縄テレビ放送、大宝運輸
●助成 朝日新聞文化財団 野村国際文化財団
(社)企業メセナ協議会・認定活動
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2002/4/30