home
事務局からのお知らせなどを掲載します
02/12/31
この冬大阪の二つのギャラリーを中心とした、神戸、京都を含む三都で連続的にアルンに関係した展覧会が開催されてきました。
以下に個別に紹介します。
●沈明姫展
(アルン内ページ)
http://www.areum.org/home/gallery/gallery5shin.html
(外部フォト・サイト)
http://jp.y42.photos.yahoo.co.jp/kous0822
沈明姫さんは2002アルンの出品者で、漆を使った立体作家です。韓国からの留学生で、 現在京芸大の大学院に在籍中です。アルン出品時から、力のある作家だと思っていましたが、初個展で存分に力を発揮されているようで、たいへんうれしく思います。
「留学生」といっても、韓国からの留学生はそのほとんどが大学や大学院を卒業して来られているので、キャリアとしても十分に作家活動を展開される時期に来ているでしょう。バイタリティーあふれる造形は今後の展開が楽しみです。

●李錦蓮展-法然院
(外部フォト・サイト)
http://jp.y42.photos.yahoo.co.jp/kous0822
李錦蓮展は、12月初旬にあった京都・詩の小路ギャラリーでの展示を法然院の講堂で展示するものです。 作品はアルン出品作と同じように、インタラクティブ・アート(interactive art)です。青竹がほの暗い部屋の中にたくさん天井からぶら下がっていて、竹林を思わせます。学校の裏山からから切り出しという、その竹の底に照明が仕込んであり、観覧者がその竹林を通り抜けようとして、竹に触れると、音響とともに竹の中の照明が点灯し床に揺れる光が落とされます。いい雰囲気を醸し出しますし、楽しいものです。
作家自身も言っていましたが、法然院での展示の方が、はるかに良い物になると予測されます。お寺は静かですし竹とよく合います。そこに照明、音響がセンサーで制御されて、見る側の動きに合わせて、空間に異なる表情をつくりだすのですから、きっと面白い物になるでしょう。今後の活躍が大いに期待される作家だと思います。

●土の下を流れる水展
(外部フォト・サイト)
http://jp.y42.photos.yahoo.co.jp/kous0822
在日7人、韓国5人、どちらでもある鄭鐘考氏、13人の交流展示は、多様な作品で大いに盛り上がったようです。
土の下を流れる水とは「地下水脈」を指すのでしょう。
地上では別の所在にあり、一見無縁に見えるが、地下では脈々とつながっているという意味に受け取りました。民族とは家族を広げたようなものでしょう。海外在住700万人、散り散りになったコリアンもそろそろ互いに引き合い、自己の水脈を確認すべき時が来ているような気がします。そういう意味に置いて実にタイムリーであり重要な展覧会でしょう。
韓国からの出品者の作品は初めて見ますのでよく分かりませんが、在日のよく知る作家達はかなり高いモチベーションで臨んだのが、よく見て取れました。
交流展がただの顔つなぎになっては面白くありません。
新しい出会いに刺激された新たな作品が生まれてこそ、やる意義があるものと思えます。 会期が短かったのが惜しまれますが、今後も日本と韓国での開催も計画されているようなので、今後の発展を楽しみにしたいと思います。

●朴一南展
ギャラリーNAWでの展示は
(外部フォト・サイト)
http://jp.y42.photos.yahoo.co.jp/pi19nam
アートスペースKでの展示は
(アルン内ページ)
http://www.areum.org/home/gallery/gallery4pak.html

NAWでの企画展をアートスペースKでも継続開催した朴一南展は、アルン開催時の京都・アートスペース虹での個展、9月釜山での韓国アートフェア出品に続いての個展であり、作家にとって爆発の年になったようです。
私はKでの展示を見ることができましたが、作家が元々持っていた「立体感覚」がより触覚的に進化してきていることが印象深かったです。数年前の神戸/東京での個展時に比べると、画面はより簡素化されつつある印象を受けますが、素朴かつ丹念に塗り込められた絵の具の下に、作家自身の「生」に絡むあらゆるものが幾重にも息づいているのが読みとれました。
NAWでは実り多き今年の作品を一同に展示されました。
Kでの展示は、会場がリニューアルされて作品がより生きる空間になったのも効を奏して、落ち着いた美しい展示となりました。

●蔡峻展
(アルン内ページ)
http://www.areum.org/home/abcd/c_artist/chae_jun/chejun_02naw.html

Kでの朴一南展と並行する日時で、NAWで開催された蔡峻展は、現在も進行形で創作活動を続ける在日1世の蔡峻先生の最新作20点余を展示するものとなりました。旺盛な想像力は衰えを知らず、作家の肉声が益々明瞭になっていくのに恐ろしさえ感じるほどでした。先生の絵の中でよく使われてきた人形やコカコーラの缶などの「小物」は姿を消し、伝えるべき事をよりストレートに歯切れ良く伝える作品は、蔡峻先生という人そのものの認識を新たにするほどのものでした。
97年頃から描き始めた作家自身の生い立ちを振り返る作品群は99年の第1回アルンにピークを迎えました。アルン出品作の「日当1円20銭」はその時期の金字塔というべき代表作であり、その後光州市美術館に収蔵されました。
先生はこの作品を描ききることで何かをふっきたのか、その後は従前のスタンスに立ち戻り、社会への厳しいまなざし、自己も含めた在日の存在そのものを描くことを再開しました。ただ「自己の生い立ちを振り返る」制作段階を経てきたので、また一段と制作思想は深まったようです。もうすぐ80歳になられるのに、いまもって自分の関心の持つこと、疑問に思うこと、心動かされることを素直に創作の主題とし、表現されていることに、というより、表現しきっていることにほんとうに驚かされました。
今回の個展にも出品された「ガラス玉(赤)」(第4回光州ビエンナーレ出品作)、2002アルンに出品した「ガラス玉(青)」も、新たなステップの代表作でしょう。また今回の個展では、「戸籍がない」ということに問題意識をもたれたようで、いくつかの作品でそのことを追求しています。 顔や頭が見えない人などで、それを現しています。
なお、NAWの鄭鐘考氏の奔走により、蔡峻展(回顧展規模のもの)が2005年春に韓国の故郷にできる新しい美術館で開催される企画が進行中です。
在日も1世から4世になりつつありますが、1歳の時に故郷を後にされた蔡峻先生がその魂を故郷で展示することになったことは、本当に感慨深いことです。

●金暎淑展
(アルン内ページ)
http://www.areum.org/home/gallery/gallery3.html
Kで、朴一男展の前に開催されたのが 金暎淑展です。
東京・銀座Gア−トギャラリーでの展示を終え、リニューアル直後のKでの巡回展となりました。作品も展示も実に意欲的でした。
99アルン、02アルンと着実に成長を果たし、光州ビエンナーレでは3世の女性作家の中からセレクトされ出品しました。
ものの考え方も作風もいい意味でオーソドックスであり、作品の掘り下げ方も正攻法な作家です。
作家は一貫して存在としての「人」にこだわっているらしく、個展会場もすべて「人」の絵でした。「人」すべてが、在日であるかどうかは分かりませんが、どれも「自身」の存在が投影されたものであることは間違いなさそうです。自分が何者であるかを見つめていこうとする姿勢が作品から伝わってきます。
作中の「人」がすべて裸体であることは、「正体」を見抜きたいという、作家の無意識の意志が働いているようです。
「人」たちが、熱くもなく、冷たくもなく黄色に光る空間は、作家が新しい感性のきらめきで世界を、人間を見つめ始めている所以でありましょう。

●第3回’絵・美(えび)展’のフォトサイト
http://photos.yahoo.co.jp/koreaksh2002
会場の神戸アートビレッジは自治体が運営するもので、ギャラリー、映画館や演劇空間(舞台、リハーサル室)、ホール、カフェなどが複合的に入っている文化施設です。 エントランスではバンドが演奏していました。
商店街に面して建てられており、役所が運営している割にはフランクなもので、入りやすくなじみやすいもので、多様な作品の展示ともよく似合い和気藹々とした空間となっていました。

 02/11/22


アルンの風展 会場画像をサイト内の【gallery】に2枚だけですがアップしてありますのでご覧になってください。なお、会場であるアートスペースkは風展終了後、アルン関西メンバーの協力の下、リフォームをしたそうです。だいぶ感じが変わったそうで楽しみです。大変な作業を手伝われた方々本当にご苦労さまでした。

東京で開催されていた「金暎淑展-大阪」が、そのリニューアル後のまっさらなkで目下開催中です。来週26日火曜日までなのでお見逃しなく。その後、引き続き12月3日より「朴一南展-後半」が開催されます。なお、両者の会場画像をサイトの表紙絵とさせていただいています。

17日までGALLERY NAW で開催されていた「朴一南展-前半」の様子は
http://jp.y42.photos.yahoo.co.jp/pi19nam
でご覧になれますので、是非ご覧ください。

「延辺大学芸術学院美術系写真専業教授&学生展」は29日(金)までです。こちらもお忘れなく。行かれた方はその模様などをお知らせください。写真なども送っていただけると最高です。

アルン2002-秋冬の陣 いよいよ佳境に入ってきました。

 

(c)2004AREUM ART NETWORK. All right reserved

 

2002-12-31