「去る2000年から梅香里(めひゃんり)の米軍爆撃場を取材してきた私は 日本の沖縄にも深い関心を持つようになった。太平洋戦争後、沖縄に米軍が駐屯して
以来、わが国と似たような不平等なSOFA問題を抱えているからだ。そのような時に 日本人の友達から、沖縄問題を長い間取材している写真家、石川真生氏を紹介された。
彼女のホームページで見た写真は、私に大変な衝撃を与えた。そこでついに同僚写真 家の申東必氏と共に沖縄を訪れた。・・・・以下略」
上の文はウエチ氏より送っていただいた展覧会カタログに載っているグッスヨンという韓国の写真家の文である。カタログと一緒に展覧会チラシも入っていた。
沖縄展は終わったが、大阪、東京、韓国ソウル展とつづく写真展『記録と記憶のトライアングル─韓国、在日、沖縄を撮る10人の眼─ 』である。
今年の5月25日に沖縄金武町であった米兵による「婦女暴行事件」。
そのちょうど1年前にあった韓国での在韓米軍タンク圧死女子中学生事件。
そして「宙吊り」にしつづけることにより、時のかなたに「解決」を持ち越そうとし ている在日問題。 生け贄を頬張り続けるトライアングルを韓国、沖縄、在日、日本の10人の写真家が問いかける写真展だ。
畏敬する写真家・藤原新也氏は、写真を撮る─“まなざし行為”─ということは、撮る側と撮られる側 のお互いが同時に飲む「聖杯」だという。
カタログを見ながら十分にその「聖杯」を感じた。
報道写真にそれはない。
写真が事実を伝えるものであることはみな承知している。
しかし、我々は映像が事実を歪曲することをも学習した。
学習した眼は、撮る側の「意図」を、撮られる側の「不信」を見破る。
写真世界は絵画の代用でもなく、似せた表現でもなく、事実を伝えるだけの媒体でもない世界をいよいよ築きあげた。
在日が「宙吊り」にされ続けているから、その精神さえもあらゆる時代・社会事実から眼をそむけ、塩鮭のように「宙吊り」に甘んじているなら、あまりに情けない。それがいらぬ憂慮であることはよく承知しているが、10人の中に在日がぺ・ソ氏だけなのは、同じ在日としてとても残念だ。
実行委員会では賛助会費(一口2000円)を受け付けている。
申し込むと会場でカタログを受け取れるようだ。
グック・スヨンの「ノン島3 引き潮になり、砂利の上に現れた砲弾に少女が座って休んでいる」は心に残る秀作だ。RO
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