会期●2001年3月18日〜4月1日
会場●浦添市民体育館
主催
●沖縄タイムス社

 Areum Art Networkは沖展の招待展示を受けて、去る3月25日から27日にかけて14名が沖縄を訪問し、沖展を観覧しました。 期間中、沖展出品者の方々とのレセプションや懇親会に参加させていただき、楽しく有意義な時間を送ることができました。
 
 沖縄の地にしっかりと根付き、人々に愛される沖展は「アルン展」のめざす姿でもあります。

 

 

 

2001.4.22 Update


沖展招待展示によせて (第53回沖展画集 挨拶文)・・・ Areum Art Network

  この度は私たち在日コリアン美術家の作品を伝統ある「沖展」に招待展示していただき誠にありがとうございました。 99年より始まりましたアルン展は、個別に、或いは違った団体に属し活動している在日コリアン美術家がアルン・アート・ネットワークとして集い、旗揚げした展覧 会です。それはまさしくコリア文化の今日的広がりの一端と位置づけられるものです。

その展覧会に沖縄の画家達〈OKINAWA-12-SHINKA〉にゲストとして出品していただい たことから、交流が始まりました。シンカの作品はどれも立派な作品で、アルン展の 会場で一際輝いておりましたが、不思議なほど私たちコリアンの作品と心地よい調和 を奏でていました。それはどちらも作品の底に確固たるエスニシティー、固有性を持 つものであったからでしょう。長い年月を掛けて熟成した心性というものは、底光り のする美しさを、たやすくは失わないものだと感じ入りましたし、違った生い立ちの それらが響き合う姿は大変美しいものでありました。

  願わくば、この響き合いが世界の様々な障壁を乗り越えて、より一層広がってゆくこ とです。 「グロバリーゼーションの世紀」と予想される今世紀の幕開けに、アジアに共に住む 住民として、新たな文化交流ができることに、大いなる期待と意義を感ずるものであります。                    


沖展感想・・・・・・Areum Art Network 尹 慶龍

「沖展は沖縄県民の春のお祭りですよ。」受話器から聞いたウエチヒロさんのその言葉が思い出されます。
沖展の会場は浦添市民体育館。会場周辺は沖展の旗がいくつも連なり、会場前には売店や仮設ステージも並びます。会場を訪れる人々も迎える側の人々も、一様にみな にこにこと楽しそうで、和気あいあいとした活気ある空気はまさに祭りのそれです。そこには本土の美術展にありがちな、とりすました雰囲気はありません。
沖展は美術を介した沖縄県民のコミュニケーションの場なのでしょう
出品作のカテゴリも多ければ、会場を訪れる人々も美術家や家族連れ、お年寄りなど多様です。誰もが気兼ねなくゆったりと作品を観賞し語り合っています。

今回で53回を数える沖展はその歴史に於いて戦後沖縄の美術を育んできた場でもあったことでしょう。
壮絶な戦場となった沖縄で、戦後の荒廃のさなか開催された沖展は県民達の励みであり誇りであったと思います。 また、県内唯一の総合美術展であることから、沖展に育てられた美術家も多いのではないでしょうか。 沖縄県民を励まし沖縄美術を育てた沖展が、 半世紀を越えた今も県民に愛され続けているのはとても素晴らしいことです。

沖展は体育館が会場なので、観覧者はスリッパを履き、履物をビニール袋に入れ持ちあるかなくてはいけません。
少々不便ですがなぜか懐かしい思いもあります。
「やっぱり不便でしょう?毎年この件に関してどうにかしてくれと苦情が来るんですよ。」と運営委員の方が教えてくれました。
履物を持つのがめんどうなので苦情も言わずにもう来ない、とうことになりがちなのですが、
毎年苦情を言いながらも 必ず会場に来るなんて沖展が愛されている証拠だな、などと思いました。


文化交流のあとさきに・・・・・・  ウエチ ヒロ (沖展会員)OKINAWA 12 SHINKA

 去る3月18日より4月1日まで浦添市体育館で催された、沖縄タイムス社主催 「第53回・沖展」は、おかげさまで大盛況のうちに終了することができました。
 特に今回はアルン・アート・ネットワークのご協力により、在日コリアン美術 に沖縄の多くの美術ファンが接する絶好の機会をいただきました。  また、期間中に福岡、関西、関東、そして遠くは長野から総勢15名のアルンの 皆さんが沖縄を訪れ、地元の作家たちと膝を交えたことは何よりもの収穫でした。

「・・・民族は違えど、文化における固有性を軽視することなく評価する芸術家 とは相まみえ語り合います・・・」とするアルンの趣旨を肌で強く感じました。 これは沖縄の作家たちに外へ目を向けることの大切さと、内なる創造意欲をかき たてる効力があったようです。とても嬉しくありがたい刺激となりました。 作品を出品していただいた皆様に、あらためて感謝とお礼を申しあげます。

 「2002アルン展」・・・その志の高さ、民族の熱さ、表現の強さ、そして寛容。 いづれも学ぶべきことの多い展覧会に出品できることは琉球民族として光栄です。 固有性や個性のある作品を送り出して皆さんの期待に応えたいと思います。来年、 京都市美術館という表現の場で、民族と民族の触れあいを楽しみにしています。      


沖展出品で感じたこと・・・・・・ 河 専南 Areum Art Network
 沖展に作品を出品することによってこんなにも多くの事を感じ学んだのか、と考えるととんでもないチャンスをつかんだんだな、と今さらながら思います。
  沖縄を訪れた今、 ここからまた何か始まるんじゃないか、始めなければ、始めたいと思い、またなにかを発する場になったんだと思います。
  沖縄の人たちと私達はとても似ていました。心地よい時間でした。魂と魂が引きよせられて響きあった気がします。 これから何かが、歴史的な何かが始まり、歴史を動かせる気がしてきました。
  また、私が一番驚いたことは、老若男女、子供から年配の方々まで、全ての層の人たちが沖展を観覧していたという事です。しっかりと沖縄の人々の中で熟成されていたというか、しっかりとその中で育っているような気がしました。 アルン展もそんな展覧会になればいいなと思いました。